1,000万円用意しなくても開業できる方法
前回の記事で不動産業を開業するには、
営業保証金として1,000万円必要であると学びました。
ちーん。。
いやいやしかし、それでは開業できる人が限られてしまうので
宅地建物取引業保証協会(保証協会)という制度があるらしいです。
▼保証協会
宅建業者は保証協会に加入すれば、営業保証金を納めなくてもよい。
保証協会が「弁済業務保証金」をまとめて供託するからである。
保証協会とは、宅建業者のみを社員(構成員)とする公益社団法人である。
・全国宅建取引業保証協会
・不動産保証協会
一つの保証協会の社員である者が、他の保証協会の社員になることはできない。
▼保証協会の業務
【必須業務】
・苦情の解決
・研修業務
・弁済業務:営業保証金の代わりに、弁済業務保証金で弁済する
【任意業務】国土交通大臣の承認を受けて行う
・一般保証業務:支払金、預かり金返還債務の連帯保証義務
・手付金等保管業務(完成物件のみ)
・宅建業の健全な発達を図るために必要な業務
宅建業者が保証協会に加入した時や、辞めた時、
保証協会は直ちに免許権者に報告しなければならない。
免許権者としては、業者が営業保証金を供託するか、
保証協会を通じて弁済保証金を供託しているか把握しておかねばならないからだ。
▼弁済保証金と分担金
宅建業者は保証協会に加入しようとする日までに、弁済業務保証金(分担金)を
納付しなければならない。
【分担金】
主たる事務所:60万円
従たる事務所:30万円
※必ず、金銭で納付。
【分担金の納付期限】
新規加入:加入しようとする日まで
加入後増設:新事務所設置後2週間以内
▼供託の期限
保証協会は分担金の納付を受けた時は、その日から1週間以内に弁済保証金を供託する。
弁済保証金は「法務大臣及び国土交通大臣の定める」供託所(東京法務局)に供託する。(この場合は、有価証券も可。営業保証金と同様)
また、保証協会は、供託所の写しを添付して供託した旨を免許権者に届け出る。
▼研修の実施
保証協会は以下の研修を実施しなければならない
・取引士の職務に対し必要な知識及び能力についての研修
▼弁済業務保証金の還付
分担金は営業保証金よりもずいぶん安いが保証協会に加入している会社とトラブルになった場合、弁済業務保証金からは営業保証金に相当する額まで還付を受けることができる。
なお、弁済保証金から還付を受ける場合には保証協会の認証が必要となる。
また、弁済を受けられるのは保証協会の社員となる前の取引も含まれる。
▼還付充当金の納付
消費者に対し弁済業務保証金から還付された場合、
保証協会は還付された額に相当する額を供託する。
そして、問題の業者はその補填をしなければならない。
そのお金が還付充当金である。
保証協会は問題の業者に対して通知し、
業者は通知を受けてから2週間以内に還付充当金を保証協会に充当しなければならない。
問題の業者が納付しない場合、業者は社員としての地位を失う。
また、穴埋めは他の社員でしなければならい、
これを特別弁済業務保証分担金という。
この納期は通知を受けてから一ヶ月以内。こちらも納付しない場合社員としての地位を失う。
整理すると、
弁済保証金から還付を受けようとする者は、保証協会に認証を申出する
↓
保証協会が認証する
↓
認証を受けた取引相手は供託所に還付請求する
↓
供託所が還付する
↓
供託所は、国土交通大臣に還付された旨を通知する
↓
国土交通大臣は保証協会に通知
↓
保証協会は通知を受けた日から2週間以内に、還付相当する弁済業務保証金を供託所に供託する
↓
保証協会は社員である宅建業者に還付充当金を納付するように通知する
↓
業者は通知を受けてから2週間以内に還付充当金を納付
▼分担金の取り戻し
還付充当金を納めず、社員の地位を失った場合や、廃業した時など
分担金を取り戻すことができる。
・社員の地位を失った場合
保証協会が還付請求者に対し6か月以上の期間を定めて、申し出るべき旨を公告し、
公告終了後に返還する
・廃業の場合
公告なしに返還する
▼社員の地位を失った場合
保証協会社員の地位を失ったが、宅建業を続けたい場合は、
地位を失ってから1週間以内に営業保証金を供託しなければならない。
▼供託所に関する説明
宅建業者は取引相手に対し、契約が成立するまでに供託所や保証協会についての説明義務がある。
・営業保証金を供託している業者:供託所及び、その所在地
・保証協会に加入している業者:社員である旨、保証協会の名称、住所、供託所の所在地
以上が、1,000万円なくても開業できる仕組み=保証協会の話。
でした。
営業保証金
弁済業務保証金、分担金
還付充当金、特別弁済保証充当金
むずっ。
テキスト一周したら、図作ろ。。